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第11回 コーチングスキルについての事例その2

 さて、今回は2回目です。 まず、一例目です。
最近経費の削減で、山田師長の勤務する病院は清掃会社との契約が変更になった。その内容は清掃にあたる担当者が今までの半分になるという。

山田師長 「来月から院内の清掃をする担当者の人数が半分の3名になります。予想されることは、清掃に時間が掛かること、そのために今までより定期清掃時間の間隔が長くなる為に、ゴミが落ちていたり、トイレが汚れたりする可能性があります。そういうことに気づいたら、各自自主的に清掃するようにしてください」
島田看護師   「今までだって忙しいのに、そこまでできません」
藤田看護師   「病院の事情を一方的に押し付けられても・・・・」
山田師長   「これは、上のほうで決まった方針だからお願いします。病院の経営も苦しいので、みんな大変だと思いますが、協力してください。島田さん、藤田さんお願いしますね」
島田、藤田   「・・・・はい・・」

さて、これで病院の方針は、上手く機能するでしょうか?
問題点として挙げられることは、山田師長は、「上の方針ですでに決定したことであるから、それに従え」と指示を出しています。
これは「わたしもこの方針には反対だけど、上が言うから仕方ないのよ」と思っていることが伺えます。また病院の経営が苦しい、と言っていますが、これでは職員に不安が拡がるだけです。


改善例

山田師長 「来月から院内の清掃をする担当者の人数が半分の3名になります。予想されることは、清掃に時間が掛かること、そのために今までより定期清掃時間の間隔が長くなる為に、その間に、ゴミが落ちていたり、トイレが汚れたりする可能性があります。清掃が行き届かない可能性がありますが、看護部としてどのように対応したらよいと思いますか?」
島田看護師   「どうして、清掃の人数を半分に減らすのですか?」
山田師長   「診療報酬の改定を含めて、どこの病院も経営努力をしています。医療や看護の質を落とすことなく、病院を経営する為には、経費の見直しを図らなければなりません。今回の措置もその一環と考えています」
藤田看護師   「今までも忙しいのに、私たちに清掃しろって言ってもできません。それこそ看護の質がおちるのでは?」
島田看護師   「確かに、藤田さんの言うことにも一理あります。ただ誤解しないで欲しいのは、私達がモップを持って清掃するわけではないのです。たとえばゴミが落ちていれば、率先して拾う、とか、トイレがひどく汚れていたら、すぐに清掃の担当の人に連絡をするといったことで、看護の質がおちるのかしら?」
藤田看護師   「いや・・・・」
島田看護師   「それでは、今までと変わらないじゃないですか?そしたらわざわざ師長が指示することはないと思いますが?」
山田師長   「確かに今までとそんなに変らないと思います。だけど、皆さんに検討していただきたいのは、清掃の担当者が3人になるということです。その結果どのようなことが予想されるでしょうか?」
島田看護師   「清掃担当者が6人から3人になるのだから、物理的に今までのように頻繁に清掃ができなくなるということです」
福田看護師   「その結果、今までのように頻繁に清掃ができなくなるので、ゴミが落ちたままになったり、トイレが汚れてそのままの状態になる可能性もあります」
山田師長   「そうですね。そのときに私たちは何をすればよいか具体的に検討しましょう」

改善例では、清掃スタッフを半分にした理由を、「診療報酬の改定等を含めた経費の見直し」として、経営努力の一つと位置づけています。
そのように位置づけることにより、全員参加の運営を示唆します。
次に、この処置の結果起こりうる事柄を挙げてもらい、その対応を検討しています。
 情報の開示の必要性を今回の事例では考えています。
つまり、このように病院の体制が少しでも変化した場合に、そしてそれが患者さんの不利益に繋がる場合は、何が変るのかを事前に職員に開示し、問題点をあげて、検討するという病院の姿勢が必要です。


 もう一例あげます。
ナースステーションの私語が多いという苦情が投書箱に入りました。そこには、若い看護師たちが、休日の予定を話していたり、飲み会のことを話しているという内容だった。

池田師長 「あなた方、主任がいないときにナースステーションで私語が多いと言う投書が入りましたがどういうことですか?」
山田看護師   「すみません。今後気をつけます」
池田師長   「気をつけます、と言うだけで皆さんは直るのですか?」
山田看護師   「そんなに長い時間は話していないと思います。手が空いたときにちょっと話しするのはいけないのですか?」
池田師長   「もちろんだめです。ナースステーションでの私語は禁止!と決まっています。みんなこんなこと知っているでしょ」
全員   「はい」
池田師長   「じゃあ、わかったわね。ステーションでは私語は今後しないようにしてください」

さて、これで、山田さん達は、ナースステーション内で私語をやめるでしょうか?
規則はこの時に山田看護師たちは知ったわけでなく、以前から知っているのです。にもかかわらず、私語をしているのは全くちがう問題であり、私語をしなくはならないと思います。


改善例

ナースステーションで


池田師長 「あなた方、いま少し時間いいですか?」
全員   「はい、なんですか?」
池田師長   「先日、患者さんから『ナースステーションの私語が多いのではないか』という投書がありました。この事について少し話し合いたいのです」
山田看護師   「確かに、業務の手が空いたときに、少し私語をしているかもしれません。ただ、私たちはそんな投書をされるほど話しているとは思いません」
池田師長   「少しはしていると思うけど、投書をされるほどではないと思っているのですね」
山田看護師   「少しはしていると思うけど、投書をされるほどではないと思っているのですね」
池田師長   「では、山田さん、どうして投書が入ってきたのと思いますか?」
山田看護師   「さぁ・・・・・?」
池田師長   「患者さんが嘘をついているとは思えないですし、どうして投書したのでしょうか?」
高橋看護師   「やはり、私たちの私語がうるさく感じられたと思います」
池田師長   「そうでしょうね。あなた方が短い時間と感じても患者さんは長く感じている場合があります。同じように静かに話しているつもりでも、患者さんにとっては、耳障りかもしれません。皆さんもそんな事って経験ありませんか?」
全員   「あります・・・」
池田師長   「そうですね。立場が違うと感じ方が変ってきます。わざわざ投書をされた患者さんはかなりの時間をかけて書かれたと思います。相当うるさく感じたのかもしれません。特に楽しそうな話は、患者さんにとっては辛いものです。そこのところを理解して、ナースステーションの私語は慎むようにしてください」

改善例では、規則という言葉を使わずに、患者さんの気持ちを担当者に気づかせています。規則ができた本当の原因を気づかせる事により、規則の意味を理解し、行動に移しやすくなります。
また最初に、ナースステーションにきた池田師長は。全員に時間の確認をして、聞く体制を取らせています。このことも、これから大切なことを話すというメッセージなのです。

規則がある場合、規則があるから当然守るように、ということは簡単ですが、規則を大上段に振りかざしてもあまり効果が無いことを知っておく必要があります。


 
 
 
 
   
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